アップルキラー!高橋智隆のコミュニケーションロボットが最強すぎる

/
0 Comments
デアゴアスティーニ発売のロボット「週刊ロビ」は、第一号が20万部を売り上げるなど、大ヒットしました。そのロビの開発者である、高橋智隆氏は、次世代スマホともいうべき「コミュニケーションロボット」を開発中らしいのです。

一体どんなロボットなのでしょうか。
過去の高橋氏のインタビュー記事からコミュニケーションロボットの姿を探ってみました。

もくじ
  1. 高橋智隆とは
  2. ロビがiPhoneを打ち破る?
  3. 家庭のすべてを束ねる究極のインターフェイス
  4. SiriやGoogle Nowの進化版とも言えそう
  5. 既に開発が始まっている
  6. どんな姿になるの?
  7. アップルはコミュニケーションロボットを作れるか
  8. 次世代インターフェイスの意味
  9. 最後に
  10. 引用について

高橋智隆とは

デアゴアスティーニの「週刊ロビ」を開発したロボットクリエイター。イケメンかつ京大卒のいわゆる無敵。ロボ・ガレージ代表。他にキロボ(KIROBO)やエボルタ君の開発など。2004年には代表作の一つ「クロイノ」が米タイム誌「最もクールな発明」に選ばれ、ポピュラーサイエンス誌で「未来を変える33人」の一人に。マツコ・デラックスの番組への出演など、メディアへの露出も多い。また、ロボット教室の講師や講演会も行っている。(参考:ウィキペディア)

ロビがiPhoneを打ち破る?

Arlette:iPhone faceplant
高橋智隆氏が考える新ジャンルの製品は、スマホに取って代わる小型のヒューマノイドロボットのようです。
コミュニケーションロボットこそがスマートフォンの次の携帯端末になると考えています。ある日近所の携帯電話ショップに行くと四角い電話と並んで人型の奴がいる。通話やネットの機能もあるので電話機として*1
別の記事ではこう説明されています。
日常生活のパートナーとして会話を重ね、信頼関係を築きながらスマートフォンの次世代ツールにもなる*2
iPhoneがブラックベリーやガラケーを駆逐したように、ロビみたいな可愛い顔のロボットがiPhoneを追い詰める時代が来るのでしょうか。

 余談ですが、iPhoneに先立ってiPadが開発されていたものの、iPhoneが先に発売されたのをご存知でしょうか。これは、iPhoneであれば携帯電話の進化系という形で、タッチスクリーン技術などを自然に普及させることができると考えたからだと言われています。
コミュニケーションロボットも、スマホの進化系として自然な流れで普及させることが必要ということですね。

家庭のすべてを束ねる究極のインターフェイス

Robert S. Donovan:what's on?
しかし小型のロビがケータイショップで販売されているとして、スマホの代わりにロボットを買うなんて事があるんでしょうか。
しかしそんな心配はいらないのかもしれません。
高橋氏が考える次世代ロボットは、 めちゃくちゃ便利なデバイスになるようです。
家電製品、インターネット、ホームセキュリティなどあらゆるネットワークの“窓口”になる。利用者がロボットと“会話”することで、利用者の好みがサーバーに情報として蓄積され、その情報を基に家電ネットワークがコントロールされる。*3 
ロボットは究極のインターフェース(仲介装置)です。利用者が、家の中にある機械それぞれの具体的な機能を把握していなくても、ロボットと会話するだけで何となく作動する。*3 
ロビにはテレビを付けてもらう機能がありますが、次世代ロボットでは、テレビを付けてと言ったら、その時間にいつも見ているチャンネルを自動で選択してくれる、なんてことも十分有り得る考えていいのではないでしょうか。

SiriやGoogle Nowの進化版とも言えそう

Alan:siri
ここで述べられているようなインターフェイスは今でも全く存在しないわけではありません。SiriやGoogle Nowがその例です。
Google NowはAndroidOSの機能の一つで、位置情報に基づいて乗り換え案内や天気の情報が自動的に表示されたりします。

参考:あなたにピッタリの情報をちょうどいいタイミングでお知らせする。 Google Now
http://www.google.co.jp/dekiru/android/tips/android_search_tip23.html
ロボットとの会話というと暇つぶしや癒やしなどと勘違いしている人が多いんですが、会話を通じてその人のライフスタイルや好みなどの情報を収集し、個々人に合わせたサービスとして還元するんです。*4
高橋氏が開発しているロボットは、会話を通じてユーザーの趣味や気分など、様々な情報を手に入れて、さらに豊富な情報をユーザーに提供できるようになるわけです。
好きな漫画の最新刊が発売されたら教えてくれるとか、便利な新製品を教えてくれるとか、そういうこともありそうです。

あと、かわいい外観が会話を促進するところがミソですね。
Siriに話しかけるのと、ロビに話しかけるのではかなり違うということは、ロビユーザーなら既に経験済みですね。

追記:

タカラトミーとドコモが共同して作ったコミュニケーションロボットが発表されましたね。「OHaNAS」という名前だそうです。

「自然な会話」できるロボ タカラトミーとドコモが開発 「しゃべってコンシェル」活用
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1506/04/news062.html
上記サイトより引用
デザインも一昔前のそれですし、乾電池で動くあたりも含めて、誰が買うのか謎です。ただ、世の中が全体的にコミュニケーションロボットを意識するようになってきていることは確かのようです。

既に開発が始まっている

この高橋氏の話は、たんなる無責任な予想ではありません。
高橋氏自ら開発を進めているようです。
現在既にそんな情報端末としての小型ヒューマノイドロボットを発売すべく、大規模プロジェクトを進めています。きっと10年以内に1人1台の時代が実現すると考えられ、それはひょっとすると更に早まるのではないかとすら感じています。*5
キロボ(KIROBO)の時のように複数の企業が連携して作っていく形になるようです。
スマホと並ぶ製品である以上、スマホメーカーと通信事業者が参加していることは間違いなさそうです。ソフトバンクはPepperがいるので、auかドコモということですかね。キロボの時のようにトヨタも参加しているんでしょうか。

高橋氏がコミュニケーションロボットを開発する上で大事なことを語った文章からも、複数の企業が関わっているらしいことが伺えます。
クリエイターが自分の感性をよりどころに、多種多様な分野の人たちと協同しながら、コンセプトの根幹やそれぞれのディテールの一貫性を守ることが必要なのです。*6

どんな姿になるの?

「スマートフォンに頭や手足が付いたロボット」

Ninja M.:The Apple Iphone 3GS gets a Phone.
高橋氏いわく、「スマートフォンに頭や手足が付いたロボット」とのこと。
他の記事では以下のような表現が。
Robiでは大き過ぎるので、ゲゲゲの鬼太郎の目玉おやじみたいなポケットに入る大きさで、それがしゃべるイメージです。*7
基本的には小型のロビ、とみていいようです。きちんと手足の生えた、自分で歩けるロボットということです。現状だと、「プラロビ」の胴体にモニターが付いたようなものをイメージするといいのではないでしょうか。

プラロビというのは、ロビを2分の1サイズで再現したプラモデルです(画像右)。
引用元:http://www.fujimimokei.com/item/items/4968728170176/
ただ、プラロビにそのままモニターをつけると、画面がかなり小さくなっていまい使いにくそうです。実際に発売される時は体型やインターフェイスについてかなり工夫がなされそうです。

ちなみにロボットが二足歩行する意味を高橋氏は以下のように語っています。
スマートフォンに足を付けるという意味は、人と一緒に歩くために移動するのではなく、ノコノコと歩くことで、生きているということをより人間の感性に訴えかけることができるからです。*8
「スマートフォンに頭や手足が付いたロボット」というと、これを思い出します。
引用:ソフトバンクから変形ロボ携帯 フォンブレイバー 815T PB
http://japanese.engadget.com/2008/02/27/815t-pb/

画面サイズはかなり小さくないと、頭や手足があるせいでポケットにはいらないサイズになりそうですね。どうなるんだろう。

追記:

ということで、もうご存知でしょうが、高橋智隆氏とシャープの共同開発で「RoBoHoN(ロボホン)」という、予想にドンピシャの製品が登場しました。
サイズも確かプラロビよりちょっと大きい程度だったと思います。

ロボホンについては以下の記事で書きました。

関連記事:コミュニケーションロボット「RoBoHoN」が発表されました
http://raionnoie.blogspot.jp/2015/10/robohon.html

追記2

ちなみに、KIROBOの開発に携わったトヨタは蚊帳の外のようで、独自に「KIROBO MINI」という小型のコミュニケーションロボットを開発していました。
引用:http://japanese.engadget.com/2015/10/28/kirobo-mini-2015/
トヨタのミニロボ「KIROBO MINI」公開。座高10センチ、ドライブの楽しいお供になりそう:東京モーターショー2015
http://japanese.engadget.com/2015/10/28/kirobo-mini-2015/

スマホと連携して会話が楽しめるようです。
高橋氏は関わっていないようで、アレンジのセンスが悪いです。

昔、ロビJr.の時にも言いましたが、小型のロボとに肩を左右に動かすための関節を仕込むと、肩がいかつくなりすぎてデザインを害するんですよね。このKIROBO MINIも、ロビJr.の失敗から何も学んでいないようです。悲しいなあ。

高橋氏はその辺を良く分かってるのか、RoBoHoNの肩関節は前後にしか動かず、すっきりした外観になっています。胴体を持つことを考えて、初めから脇を少しあげたデザインにしているようです。

機能はスマホを内包

 スマートフォンが持つ基本機能や提供する体験はそのまま有し、それに加えてスマホにはない楽しさや機能、世界観、親近感のようなものを小型のヒト型コミュニケーションロボットで提供できるはずです。*9
というわけで内部はスマホと同じだろうと思われます。
スマホとの違いはサーボモーターが全身に搭載されているという点ですかね。

ソフト面もスマホと大きくは変わらないはずです。

Androidで動くロビ?

gp sachs:android de printemps #1
スマホとしての機能を備えているということは、Androidで動くことになりそうです。

ソフトバンクのロボット「Pepper」はデベロッパーがアプリを開発できる点が一つの特徴でしたが、高橋氏のコミュニケーションロボットも同様にアプリを開発できる仕組みが用意されそうです。

Androidベースなのでデベロッパーの裾野も広そう?

追記:Androidベースの独自OSだそうです。

電話もロビとの会話形式?

コミュニケーションロボット独自の機能としては、たとえば、電話の際にはロボットと向かいあって会話、という方法もありそうです。
一見すると変ですが、小さなロビを耳に当てて話すほうがおかしい気が。

映画「AI」にも似たようなシーンが有りましたね。

クラウドAI

ロビの知能はPepper同様にクラウドAIになると思われます。

クラウドAIというのは、AI(人工知能)をインターネットを経由して個々のデバイスで利用できるようにしたものです。

これによってスマホの性能では処理しきれない膨大なデータを中央に集めて処理できるようになるので、デバイスが非常に賢くなるわけです。例えばSiriやGoogle Nowの音声認識も基本的にはサーバー越しに別のコンピューターが処理しているようです。

キロボがパソコンと有線でつながって高度な会話機能を備えていましたが、あれをさらに高機能化したようなイメージですね。

ちなみにPepperは本体価格が19万8000円という非常にお安いロボットですが、クラウドAIの利用料金が月々1万4800円の36ヶ月契約という鬼畜な料金設定になっていたことで話題になりました。

高橋氏のコミュニケーションロボットの利用料金はどうなるんでしょうね。MVNOでは利用できなそうです。

アップルはコミュニケーションロボットを作れるのか

Paul:keynote

設計思想の違い

余談かもしれませんが、高橋氏がコミュニケーションロボットを完成させた場合、アップルは同じような端末を作ることができるのでしょうか。

アップル製品は、常にユーザーを主、デバイスを従に位置づけています。この点、コミュニケーションロボットでは人とロボットが会話をする、ある対等な関係が前提になっています。
あくまで従にあるアップル製品は、常に存在を意識させないことを目指して設計されています。ロビのようなコミュニケーションロボットは真逆で、存在感があることが前提です。

ここらへんの設計思想をアップルが変えられるかどうか、が要になりそうです。

アップルも既に似たようなものを開発中

アップルは2014年に「Homekit」を発表しています。
HomeKitはiOS 8を搭載したiPhoneやiPadから、家の照明、鍵、監視カメラ、サーモスタット、各種プラグやスイッチなどが管理できるようになるスマートホーム機能。*10
iPhoneを軸にして家電を動かす点では、高橋氏の考えるコミュニケーションロボットと同等の機能が実現できそうです。

アップルはコミュニケーションロボットは作らないで、iPhoneはiPhoneのままに、コミュニケーションロボットが実現しようとしている未来の生活を実現することを計画している、というのが、今のところ妥当な予想ということになりそうです。

でもアップルのシンプルデザインでロビを設計することができるのか、設計したらどうなるのか、ちょっと気になりませんか?

次世代インターフェイスの意味

Héctor García:Pepper
アップルやソフトバンク、高橋氏が家電を統合するような次世代インターフェイスをこぞって開発しているのは何故なのでしょうか。

以下のような解説がありました。
「今、世界のプレーヤーたちは、人間に対するユーザーインターフェース(UI)の一番ユーザーに近い部分をだれが取るのか、という競争をしているんです」(中略)その部分からはいくらでもデータを取れるし、いくらでもビジネスが成立するからなんです。ユーザーから遠くなればなるほど、儲けは少なくなる。*11
次世代のインターフェイスを開発できれば、それがまさに人々の生活の中心を担うデバイスとなるわけですから、各社がこぞって開発しているというわけです。

iPhoneを使っているという人でも、ロビのような可愛らしいロボットがスマホ以上の能力を備えて登場すれば、乗り換える、という可能性は十分ありますし、アップルほどの大企業であっても安泰とはいえません。

最後に

高橋氏に関するインタビュー記事を中心にコミュニケーションロボットについて考察しましたが、それなりにコミュニケーションロボットが何なのか理解できたのではないでしょうか。

すでに多数の企業が参戦しようとしている次世代インターフェイスですが、僕は高橋氏のコミュニケーションロボットに期待したいと思います。

ちなみに超紛らわしいネーミングの「ロビスマホ」については以下の記事でボロクソに書きました。ロビスマホ欲しい人には申し訳ない。

関連記事:ロビスマホがあまりにも酷いので文句を書く
http://raionnoie.blogspot.jp/2015/11/blog-post.html

引用について

*1:Robiの生みの親 高橋智隆氏が語るコミュニケーションロボットこそ日本の活路(後編)
http://dentsu-ho.com/articles/1879

*2:スマホの次に来るデバイス? ロボットクリエイターの高橋智隆さんが予見するロボットと暮らす近未来生活へのシナリオ
http://www.lifehacker.jp/2015/02/150201_robot_01.html

*3:ロボットクリエイター、高橋智隆氏インタビュー(2)「10年後、一家に1ロボット時代が来る」
http://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=56071&bk=list%2Fseries.php%3Fss%3D3064

*4:独創的なロボットの開発・製作にたったひとりで挑み続ける
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4963?page=4

*5:OB・OGインタビュー Catch the Dream – 夢をかなえる力 · スペシャルインタビュー
http://www.kumon.ne.jp/kumonnow/obog/005_1.html

*6:緻密な戦略と独創的な感性が、ロボットと暮らす社会へと導く/ロボットクリエイターの高橋智隆さん
http://www.lifehacker.jp/2015/05/150522_robot_03.html 

*7:Robiの生みの親 高橋智隆氏が語るコミュニケーションロボットこそ日本の活路
http://dentsu-ho.com/articles/1816

*8:人のカタチをした小さなロボットが、情報端末のパラダイムを大きく変える/ロボットクリエイター高橋智隆さん
http://www.lifehacker.jp/2015/02/150222_robot_02.html

*9:「“スマホの次”は小型コミュニケーションロボ」ロビ産みの親、高橋氏が考える近未来
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1503/11/news026_2.html

*10:iPhoneで“スマートホーム”を実現する「HomeKit」――AppleがiOS 8に搭載
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1406/03/news039.html

*11:破格の価格でPepperを売る理由「目指すはクラウドAI」
 http://magazine.livedoor.com/press/11531


こんな記事もあります

0 件のコメント: